
「ピアニスト」
[’01仏=オーストリア/ヘラルド]
[監督][脚本]ミヒャエル・ハネケ[製作]ミヒャエル・カッツ/イヴォン・クレン[製作]ナタリー・クリュテール/クリスティーヌ・ゴズラン[原作]エルフリーデ・イェリネク[撮影]クリスティアン・ベアガー
[出演]イザベル・ユペール/ブノワ・マジメル/アニー・ジラルド/アンナ・ジーガレヴィッチ/スザンネ・ローター/ウド・ザーメル
STORY◆中年に差し掛かった今も母親に束縛されるピアノ教授のエリカ。異性との交際もままならない彼女は歪んだ愛の妄想に走り、マゾヒズムに傾倒。ある日、彼女の前に美しい青年が出現。彼に愛を告白されたエリカは戸惑うが……。
2001年カンヌ国際映画祭でグランプリ、主演女優、主演男優賞の三冠受賞
センセーショナルな映画だった。
社会の規律、母の規律により自己が形成されてしまった、ヒロインのエリカ(イザベル・ユーペル)。が40歳になるまで恋もゆるされず、いまだ寝室は別だがベッドは母親と同じという生活をしている。そんな彼女がある青年に恋をしていくのだが、そんな環境に育ったエリカゆえ、性に対しても屈折しているのだ。彼女の生活の細部まで描いているので、そこを見ている範囲では一見、潔癖とでも見えてしまう。(恋をしていく姿も、ファーストキスまでノーメイクでやり遂げ、徐々に口紅の色が付いていくという・・・。)
しかし、アダルトショップに出入りし、そこで欲望を発し、自分の性器まで傷を付けるという行為をする。
互いに愛しても愛することができない。ある時、青年に彼女が望むことを赤裸々に手紙に綴り、託すが・・・彼にはそれを受け入れる事はできなかった。いやしようとしたが結局・・・
そんなストーリーをシューベルト、ショパン、ブラームスの調べにのせて繰り広げられている。そこがまた切なくもあり激しくもあり・・・。
決してアブノーマルだけに収めることは出来ない。彼女は彼女なりに愛したゆえの結果。そして、その愛が行き届かないとき母に委ねてしまう切なさ。しかし、母の愛は娘が「コンサート・ピアニスト」になって欲しいが為の愛情だった・・・。
「妄想は現実化できないゆえに力をもつので、現実化されたとたんに解体してしまう」(田口ランディ)これは一理あると思った。この場合では特に。現実とのギャップ。妄想が妄想を食い散らししていく。彼女はまだ幼い少女そのものだったのだ・・・。
この映画は始まりからラストまで緊迫感がある。その緊迫感に押しつぶされそうになりながらも、見たいという好奇心に掻き立てられてしまう。そして一番衝撃的だったのが、「無音」のままのラスト。そこで答えは出さない。監督ハネケの意図が読み取られる。
あーーーでもほんとごめんなさい。上手く言いあらわせられない。もどかしいです。(いつものことなんだけど)今回はほんとクソッ。もっと文章を勉強しますわ。しかしコレR−15はちと吃驚。
「紅色の夢」
[2002年/日本]
[監督][脚本]中田昌宏[原作]花村萬月『ゴッド・ブレイス物語』『皆月』『ゲルマニウムの夜』
[出演]夏生ゆうな/冴木かおり/村上淳/八木亜希子/藤田敏八
STORY◆「ゲルマニウムの夜」(98)で芥川賞を受賞した花村萬月が描く、一筋の傷をめぐる美人姉妹の愛とエロスの物語。美大生、愛子が描く紅色に塗られたキャンバス、それは幼い頃の姉・貴子の腹部にある一筋の傷が始まりだった…
試写会で見せていただきました。言葉が汚くてすみませんが・・・クソッつまんねぇー。ほんとクソでした。今までにも不愉快な映画はありましたけど、その不愉快にも意味があり、それを探そうと試みることが出来た。しかし、これはほんとうに「不愉快」。でも最後に期待してがんばって見た。けど、、、期待したあたしが馬鹿だった。あーこうしちゃったかぁ・・・(涙)お勧めできぬ。
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「ビューティフル」
[監督]サリー・フィールド[脚本]ジョン・バーンスタイン[コスチュームデザイナー:クリシ]カルヴォニデス・ダシエンコ[音楽]ジョン・フリッゼル[編集]デボラ・ニール=フィッシャー
[出演]ミニー・ドライヴァー/ハリー・ケイト・アイゼンバーグ/ジョーイ・ローレン/キャスリーン・ターナー/レスリー・ステファンソン/ブリジット・ウィルソン/キャスリーン・ロバートソン/アリ・ランドリー
STORY◆夢のために母であることを捨てたモナ。モナが母とは知らない娘ヴァネッサ。二人が親子の愛と喜びにつつまれるのは、ミス・アメリカ全米決勝戦のステージの上だった−。
号泣。単純なストーリーなのだけどすごく大切なものを二つ再確認できた。
主人公モナが未婚で産んだ子供ヴァネッサ。が、ヴァネッサがママと呼ぶのはモナの同居人で親友のルビー。しかし、ヴァネッサは徐々にモナと自分の顔が似ているのは・・・と疑問を持ちだす。そして、ヴァネッサが「自分の本当の居場所が知りたかったの・・・」とモナに問いかける・・・。多分モナも「自分の本当の居場所」が知りたかったのだろう。親の愛に恵まれなかったモナは幼い頃から誰かに認められる事を強く思い、ミス・アメリカを目指し涙ぐましい努力をはじめる。そのためにはどんな犠牲も、偽りも……。
夢を果たすまで仕方がなかった……そこに自分の居場所があると信じていた。しかし、自分の居場所は娘の腕の中にあることを知る。今まで彼女を支えてきた環境の中にある事を知る。
女性としての幸せとは何か?
親とは何なのか?
親の幸せ、子供の幸せ?
親の愛とは?
時にはそのために切り捨てなければならない夢……
幸せは決して一つではないもの。
「居場所」とは?
作品は母親の愛を描いたものだったけど、私にはもう一つ大事なものが感じられた。
何かを変えようとするときには1人が立ち上がらなければいけないという事。その「勇気」。どれだけその勇気がある人がいるだろうか?私の尊敬する著名人の言葉を思い出さずにはいられなかった。「青年よ一人立て 二人は立たん 三人は必ずついてくる」
私の居場所は・・・多分縁した人達の中にあるのかもしれない……。またそれは与えられるものではなく、見つけるもので、常に探してるもので、与えるものなのかも……だから一つではないだろうと思う。