シンプルさを貫いたオードリー・ヘプバーン

  

 
   オードリー・ヘプバーンほどシンプルさを追い求めた女優はいなかった。「ローマの休日」で一夜にして大スターになった彼女は、ほかのハリウッドスターのように宝石も毛皮も身に着けることはなかった。メーキャップは目のまわりだけで、口紅も淡い色を使っていた。
 オードリーは「テイファニーで朝食を」の中で「私にとって、40になるまでは、ダイヤモンドをつけるのは見苦しいと思うの」と言った。
 しかし、彼女は40を過ぎてもダイヤモンドを着けなかったし、つける必要がなかった。彼女自身がダイヤモンド以上の強い魅力と自立心を持ち合わせていたからだ。
オードリーはシンプルなデザインで一切の装飾を省いたドレスを着こなした。シンプルなドレスの着こなしは簡単でない。それを着る本人の個性が出てしまう。要するにオードリー・ヘプバーンだから着こなすことが出来たのだった。
 華美でない、シックで控えめな彼女の身のこなし。これは、単に表面的なものではない。それは彼女の生き方、人生に対する態度そのものだった。彼女は、ハリウッドで出演した20本の映画へ向けた同じ情熱/愛情を、プライベートな家庭生活にも、恵まれない子供たちを救うユニセフ大使の活動へも注いだ。 個人的に彼女を知る人たちは言う。「実生活のオードリーもスクリ−ンの彼女の通り、だが、本物のオードリーはもっともっと素敵だ」オードリーの誠実な人間性はいつでも人々の心に残っている。           

  

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