英語の学び方

  

    映画の英語を研究して久しい。
 私の話す英語の大部分は、映画のせりふそのままか、その応用である。
 英語を話すときに、この表現は「イングリッシュ・ペイシェント」のどのシーンか らとか、次は「シャイン」のあそこのシーンからと思い出しながら文章を組み立てて いる。
 映画が扱う対象の範囲は広い。普通の日常会話なら大体あてはまってしまう。
 話し言葉は常に自然で生きていなければならない。
 これを習得するには映画のせりふを覚えるのが一番いい。
 監督やシナリオ・ライターが心を砕いて書いたシナリオには、はっとするほど気の 利いた表現やおシャレな言い回しが目白押しである。そういうせりふを覚えることで、 会話の表現だけでなく、ものの受けとめ方まで随分勉強した。それに、映画のせりふ は、内容も状況設定も十分吟味されているから、暗記するのが楽しく、苦痛を感じな い。これが一番大事なところだ。その意味では、小説や伝記なども役にたった。
 そういうことで英語を学んできたわけだが、年を経るに従って、覚える対象が変わっ た。
 若いころは恋の英語だった。1950年代の夢とあこがれを売り物にした「ローマ の休日」、「7年目の浮気」などは全部暗記した。中年になると、「いつも二人で」 の大人の会話や、「旅情」、「サウンドオブミュージック」など旅行や趣味に関する 表現を学習した。その後、ビジネスの世界に入ってからは、「ワーキングガール」な どオフィスでの会話や決算や株式の用語に注目した。 
 それじゃ、これからは何を学ぼうか、ということだが、結婚式などで人前で話をし たり、日本企業の状況を外国人に説明する、あるいは、相手に心のうちを聞いてみる インタビューの表現などか? それから、年に応じた身のこなしに見合う言い回しも 覚えて行きたい。   

  

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